Silent Hill

　レース場の隅っこに追いやられている廃バス。物心ついたときからこの廃バスを目にしている。もしかしたら私に廃墟好きという性癖を開拓したのはこのバスかもしれない。
　
　一回この廃墟バスに近づきたくて何とかして入ろうと思ったが、チキンな私はこの道路から撮影することしかできなかった。
　いつの時代のバスなのだろう。形的に昭和ら辺であろうということしか分からない。父母はよく「こういうバスにぎゅうぎゅうに詰められながらスキー場に行ったなぁ」なんて話しをする。このバスも繫盛期には人を大勢乗せてスキー場なんかに行ったのだろうか。今となっては間近でバイクが走っているところしか見ていないのだろう。もう一度雪を見せてあげたい。

　このバスの隣にはUFOがいる。私がそう呼んでいるだけで本当にUFOなのかは分からないが、私はUFOに見えるのでUFOと呼んでいる。このUFOもなにかあってここに降り立ったのだろう。また宇宙人に迎えに来てもらえるといいな。UFO。
　
ここまで書いて思った。「廃バスとUFO」って絵本を書いてみたら面白そうなんじゃないか。廃バスはUFOに雪について、人間について教えて、UFOは廃バスに宇宙のことを話して、なんて物語がありそうだ。
ちょっと可愛い。