Silent Hill

　千葉のど真ん中なのに奈良という地名。そして奈良の大仏。一瞬奈良なのでは？と疑ってしまうが違う。千葉県だ。奈良の大仏という名前ではあるが、肝心の大仏様はこじんまりとしている。どちらかというと大きなお地蔵さん。そしてなぜ私は大仏様の写真ではなく、ぼっとん便所の写真を貼ったのか、大仏様を撮り忘れたというのももちろんある。だが、他にも理由はあるのだ。

　私がはじめてここを訪れたのは小学校4年生の多分秋。この辺に大仏通りという通りがあり、なぜ大仏なのか父に問い、連れてきてもらった記憶がある。たしかその時は近所で買ったたい焼きをお供えしたはずだ。あれ、勿体ないって言って結局食べたんだっけ。忘れてしまった。その時から、この静かな森の中に佇む小さな大仏様のいるこの場所に変なもやもやがあった。なんでかは忘れた。

　なぜこんなところにこんな名前の大仏様が？と疑問に思うだろう。私も疑問だ。この大仏様自体は市原市指定文化財なので看板が建てられている。そこには「当地は将門伝説と風光の美しさで知られ、等身大の石像釈迦物如来像が鎮座し、以前より奈良の大仏の名で知られている」と大仏様のことは触れているようで触れられていない。これ以上の情報が出てこない。この大仏様、なかなかやりおる…。

　この奈良の大仏のレビューは様々だった。大体は「小さい」だが。私はこのちょこんと感がいいと思う。この奈良公園にはぼっとん便所があるのだ。今はもう一個ちょっと新しめの和式トイレもある。だがこのトイレたちがいわくつきなのだ。完璧幽霊か何かが潜んでいると思った。もしかしたら気のせい、この時だけかもしれないが。霊感のある人と訪れたときにその気配を感じた。私は性別の区別すらつかず、何かもやもやした人間みたいなのがいる。くらいしか分からなかった。霊感のある同行者は、おばさんの幽霊がいた。と言っていた。ご用を足している時に開けてしまったのかもしれない。申し訳ない。だが、このおかげで私が小学生の頃に感じたもやもやの正体が分かった気がした。
そんなに危ない人じゃないらしい。